text by 赤様
世界陸上が閉幕した。
日本選手は残念ながら良い結果を残せなかった。
でも、世界中から集まったツワモノたちにとっても、
世界記録がひとつも出なかった大会になった。
勝負は息詰まる好勝負が多かったけど、
陸上をあんまり知らない人たちに
強烈なインパクトを残すものではなかったように思う。
じゃあ、なぜそうなったんだろう。
今回初めてスタンドから実況した織田裕二の興奮が、
かえって水を差したのか?
いや、そうじゃない。
みんな、忘れちゃいないか。
大阪には世界最強「大阪のおばちゃん」がいることを。
そう。何をおいても向かうところ敵なしの大阪のおばちゃんに、
出場選手はタジタジだったんだよ(笑)。
世界陸上には、多数のボランティアが運営に貢献してたんだけど、
そのなかには大阪のおばちゃんが大勢いたんだ。
入場口のもぎり(=チケットをちぎる人)や、競技場の内外での観客の案内など、
いろんなところでボランティアの人を見た。
選手の周りでかかわっているボランティアも大勢いたんだろう。
おばちゃんたちは、そんなところでも
世界規格の大男や、ワケのわからん外国語にもまったく怯まず、動じず、
おばちゃんらしさで、彼らをうっちゃってたんだね。
大阪の暑さ対策は想定していても、
選手はおばちゃんたちのことは想定外だったんだ。
だからこういう結果だったんだよ。
(もちろん勝手な想像なんだけどね)
最終日に行われた女子マラソン。
マラソン中継でランナーの横で一緒に走る目立ちたがり屋がよくいるけど、
そのなかで、土佐が走っている隣を「勝訴」と書かれた紙をもって走っている人がいた。
僕にとっては、これも大阪らしくていいなと思った。