text by 赤様
先週末、甲子園を目指す予選が沖縄で始まった。いよいよ熱い夏の始まりだ。野球の季節である。東京では、去年の甲子園の英雄、齋藤佑樹が、早稲田大学を日本一に導いた。その齋藤擁する早稲田実業が昨年甲子園で対戦した相手のなかに、サンプラザ中野の曲を使って応援している学校があった。早稲田相手に早稲田出身のアーティストの曲を使うのはどうなんだ? と思ったのを覚えている。しかも早稲田にはサンプラザ中野が作った応援歌も存在するから、なおさらそう思った。
数年前、甲子園でPL学園の試合を見た。PLといえば「人文字」が有名だ。そのときは、それが良く見える外野スタンドで観戦した。試合前のエール交換で、その人文字が披露されると僕の周囲からは「おーーーーーー」という声が溢れた。その声には『これが噂に聞いたあの人文字かぁ』という新鮮さと『きれいだな』という賛美の感情が受取れた。試合が始まって、再びその人文字が現れた。するとそのなかで一箇所だけ色が違うところがあった。その部分を担当する生徒が間違えたのだろう。それを見た僕の周囲からは「あーーーーー」という声が漏れた。今度は『誰か間違えてるぞ』という残念な感情だ。そんな観客の感情の変わりようがなんだか面白かった。
先週末のことに話しを戻そう。千葉で行われたロッテ阪神戦。TV中継が、ロッテのシャツを着て応援するひとりの少年を映しだした。その少年は「トラガリ中」と書いた紙をテレビカメラに向け、頭髪の上にガムテープを貼り、手にバリカンをもって頭をなぞる仕草をした。ガムテープの肌色を頭皮に見立てて、そこだけ刈ったように見せているのである。ベタな駄洒落だが、カメラ目線でニコニコしながらやってしまうその様に、クスッとしてしまった。