一足お先に怖い映画でも。

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暑い。気温よりもむしろ湿度のせいか。
こうしてブログを書いている側から汗が。

この季節になるとぼちぼち登場してくるのが、怪談だ。
私は階段は苦手だが怪談は大好きである。
そんなわけで今回は思い出に残る怖い映画特集だ。(サスペンスも含めて)

少し前に映画で「妖怪大戦争」なる映画が公開された。
監督:三池崇史、神木隆之介、宮迫博之、近藤正臣、菅原文太、豊川悦司など
そうそうたる出演者の角川映画だ。
実は1968年に同名の映画が封切りされている。この映画の話から。
監督は黒田義之。青山良彦、川崎あかね、大川修らが出演している。
この頃にこの映画の前振りとも言える「妖怪百物語」が公開されていて、
どちらかというと、そちらを見た勢いで、「妖怪大戦争」も見た、と言う感じだった。
これらはどちらも「怪獣ガメラ」や「大魔神」でお馴染みの大映の作品で、
妖怪が登場するにはするが、人間のドラマが軸になって、それに妖怪が絡んでくる。
今にして思えば、決して怖いと言えないようなユーモラスなシーンも登場してくる。
「妖怪大戦争」は、江戸時代を舞台に、バビロニア生まれの妖怪ダイモンと、
日本の妖怪たちが戦うという話で実写と特撮を組み合わせた映画だ。
とはいえ、68年の作品故、私は11才。やっぱり怖かった。
この辺りの作品はレンタル店でも取り扱っているだろう。

もう一つ、最近の作品から。
「新耳袋」だ。
これは木原浩勝と中山市朗の二人による共著の実話を集めた本がベースになっている。
元々「耳袋」とは江戸時代の奉行、根岸鎮衛が怪談や不思議な話を集めていて、
その『耳袋』にあやかったもの。
「新耳袋」では毎回100話を掲載するつもりが怪異が起こるという「百物語」の伝説を避けるため
99話収録した本である。そこから選んで題材に映画化しているものだ。
映画用に多少脚色はされているが大方原作に基づいているので、そう考えると怖い話である。
私は本で読み始め、後で映画を見たが、本の方がやはり何倍も怖い。
映画という映像によって、見る側の想像する余地が少なくなるからだろうか。
自由に想像できる本の方がその点は格段に勝る。

海外に目を向けると、これで決まり!
「シェラ・デ・コブレの幽霊」である。実はこの映画、当時のNETテレビ(日本教育テレビで
現在のテレビ朝日)の「日曜洋画劇場」で放映されたのみで、
劇場公開どころかビデオもDVDにもなっていない、というレアな映画だ。
調べてみると1959年の作品らしい。
私は幾つくらいでこの映画を見たのか、はっきり思い出せないが、
小さい頃だということだけは憶えていて、とにかく今までに見た幽霊映画で
一番怖いというものだ。怖さが先行して、ストーリーは忘れてしまった。
(映画「呪怨」で、奥菜恵をベッドの上からのぞき込むあの幽霊の登場シーンより怖い!)

見られない妖怪や幽霊の映画を書いても仕方がないので、流通しているものを。
となれば、私は「シャイニング」を推す。
コロラドの雪深い山中にあって冬期は閉鎖されている由緒あるリゾート・ホテルを舞台に、
その管理にやって来た、ある親子三人に取り憑く怨念と狂気を描く恐怖映画だ。
製作・監督は巨匠スタンリー・キューブリック。原作はこれまた恐怖小説の巨匠スティーヴン・キング。
出演はジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース、バリー・ネルソンなど。
このなかで幽霊の登場シーンは思ったより少ない。
が、ジャック・ニコルソンが徐々に狂気の世界に染まっていく様子が何より怖い。
実は幽霊より妖怪よりもっと怖いのは人間なんだと実感する映画だ。
原作の小説でも読んだが、そちらもかなり怖かった。
最近、コンチネンタルバージョンとして1,500円の廉価版のDVDも発売され、
レンタル店にも置いてある。

「死霊のはらわた」。こいつがなんとも怖い。サム・ライミ監督の83年作品。
今となっては古典といえるかも知れない。
5人の若者が休日を郊外で過ごそうと、山奥にある貸別荘へとやってくるが、
そこでテープ・レコーダーを発見して、再生してしまう。
そのテープには死霊を呼ぶ呪文が録音されていて、次々と仲間が死霊にとりつかれていく。
貸別荘という閉ざされた空間の中での出来事で、そこが独特の緊張感を出している。
死霊達の内蔵ドロドロはいただけないが、精神的にも充分怖い作品だ。

いろいろな視点によって、怖さは変わるし、各個人の怖さの基準は違ってくるが、
これらが私が怖いと思った思い出に残る怖い映画たちだ。
こんどの週末は、一足お先に恐怖映画で暑さを吹き飛ばそうかな。

コメント(3)

こじこじさんこんにちは。
怖さを表現して伝えるのって監督の腕の見せ所と思うのですが、最近の日本の映画やテレビの「女の幽霊」が貞子っぽいのばっかりで、「またかよ」と思ってしまうのは私だけでしょうか?

私的には、小学生の頃日本テレビのお昼にやっていた「あなたの知らない世界」がめちゃくちゃ怖かった!映像もさることながら、体験談の再現ドラマということでさらに拍車をかけて怖かった!

高校生とかになると逆に怖いもの見たさで、お盆とか冬休みとかになると楽しみに見ていたのですが、さらに年齢を重ねて来た今は、何故か怖さが先にたって見れなくなりました(今「呪怨」も怖いです・・・なんとか見ましたが)。

でも、見たいですよね。こわいの。

AKYさん、こんにちは。
貞子、仰るとおりですね。
みんなあのスタイルになって来てます。
ま、それだけ怖い、ってことなんだとは思いますが、
画一化してしまうのはどうもねぇ。

「あなたの知らない世界」見てましたよ。
あれも本当に怖かったです。実話だと思うからなおさら怖い!
新耳袋と共通してますね。

>でも、見たいですよね。こわいの。

ええ!見たいです! でも本能なんでしょうか、これって。

怖い映画といえば、情景というか心象というか、黒澤映画の「蜘蛛の巣城」ではないでしょうか。森の奥のあばら家で、一人の翁が主人公の将来を予言するシーン・・・貞子のような派手さはないけれど、ものすごく背筋がぞくぞくします。これぞ日本の妖気なり、と言いたい秀逸なシーンです。

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このブログ記事について

このページは、cforceが2006年6月26日 09:00に書いたブログ記事です。

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