先日ある大型家電販売店のDVDコーナーに立ち寄った時のことだ。
新着のコーナーでは最近発売になったばかりの「ALWAYS 三丁目の夕日」という映画が大きく採り上げられていた。これは西岸良平原作のコミックを映画化したもので、山崎貴監督、吉岡秀隆、堤真一、小雪などが出演している。側で予告編をモニターで流していたが、何となく懐かしい生活や風景が数多く出てきていた。多分この映画の中で描かれている世界をドンピシャで経験している私などは、確かに懐かしい光景として写っていた。
この映画で見た方たちの評価は、概ね良いだろうと思う。どこか懐かしい、あの時代は良かったというのが多いのではないか。多分同じような懐古趣味的な要素のあるものも映画や音楽を問わず、そう評価されることが多いんだと思う。
実は私もその傾向はどちらかというと強い方だ。
でも、時々手放しでそんな気持ちに浸れないことがある。
本当にあの時代って良かったか?と。
少なくとも懐かしむには良いかも知れないが、今に比べて良い時代とは一言で言えないぞ、って思うのだ。
今では助かる命も、あの当時は不治の病、今ではすぐに終わってしまう仕事も、あの当時は何日も掛けておこなった。偏見や差別などは今と比べると当時は垂れ流しに近かった・・・・・などなど、じっくりと思い出してみれば、決して良い時代なんて言い切れないのだ。
時々自分でこの辺りの心の整理がつかなくなることがある。私の趣味にしている自転車(ツーリング車)もそんな懐古趣味的要素が強い。ところが、過去のものって、雰囲気はいいけど、やはり走行性能というと、やはり現代のものにかなわないのだ。スペックで言っても高性能になっている。この辺りの折り合いが難しいのだ。未だに昭和は良かったか、なんてことは、自分ではまだ結論が出ていないし、出す必要もないと思うが、一方からだけ見たノスタルジーに騙されないぞ、って思っている。