続・たかがラーメン

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先週に引き続き、今回も即席ラーメンがテーマです。
即席ラーメンが登場してからのラーメン総括第二回です。

いろいろ調べてみると、製品として量産ができた初めての即席麺は昭和33年(1958年)の「日清チキンラーメン」だそうで、と言うことは、ほぼ同じ頃に生まれた私と人生を共にしているようなもんです。

ところで前回「チキンラーメンは次第に一線を退いていきます。」ということを書きましたが、これは新製品がでることで、消費者の視線がそちらへ流れトップの座から退いていったということです。いつの世も目新しいものが出ると、そんな現象が起きるのは仕方のないこと。スープも味付き麺から別添えに変わってゆく、と言うような転機を経て今のスタイルに定着していきます。この記念の製品になったのが「マルちゃんハイラーメン」でした。このラーメン、確かに私も食した記憶があるんですが、パッケージにマルちゃんのイラストが大きく入っていた以外はあまり記憶がありません。因みにこのラーメン、パッケージは若干変更したものの静岡限定で今でも販売されているようです。

後で知ったものにサンヨー食品の「長崎タンメン」というものがありました。当時では珍しかった塩味で野菜が沢山乗ったどんぶりのイメージ写真がパッケージでした。数年前、実はこのカップ版が復刻していました。近くのコンビニで購入。見ると復刻の文字が。どことなく懐かしい味だったのを憶えています。この袋麺、私が食べたのは「サッポロ一番」以降だったのですが、実はそれより以前に発売になっていたようです。しょうゆ味が好きだった私は見逃していたようです。時代は同じ頃、もう一つ塩味系で画期的な商品がありました。エースコックの「ワンタンメン」です。「ブタブタ子ブタ、おなかが空いた、ブー」というCFソングも印象的で、ワンタンの皮が付いていて、麺とは違う触感が楽しめました。スープも野菜風味でうまかった。

そして昭和40年代に突入すると、あの定番商品のひとつ、明星「チャルメラ」が発売になります。記憶に鮮明なのは、スープがホタテ風味だったこと。加えて「木の実のスパイス」なるコショウが添付されていたことです。麺の風味も違いました。今でもそうですが、麺が小麦の香りを放っているんですね。海無し県に育っておまけに家も裕福ではなかったので、ホタテといってもピンと来ません。当時はこのスープでホタテに思いを馳せていました。これは実際飽きるほど食べました。本当に飽きてこの後紹介する他社の製品に浮気したりしましたっけ。

そして次に登場がエースコックの「駅前ラーメン」、日清の「出前一丁」と続きます。「駅前ラーメン」はパッケージが印象的でした。駅前の踏切を汽車が通り過ぎてゆくところのイラストでした。この商品、なぜ憶えているかというと、麺の量がそれまでのスタンダード85gから100gになったもので、1個で足りない2個じゃ多い、という私にちょうどイイ量でした。「出前一丁」は大手の日清の商品でしたが今でも現役のスタンダード商品ですね。これは特徴的なのがやはり「ゴマラー油」でしょう。この小袋を加えるだけで、他のラーメンにはない独特の風味を持っていたと思います。パッケージの「出前坊や」もブランド確立に一役買っているキャラです。

そしてこの後昭和40年代中盤にやってくるのが「ノンフライ麺」の流行です。
これは各社いろいろと出して来ました。明星「中麺」、日清「生中華」、サンヨー食品「来来軒」、マルちゃん「なま味ラーメン」、などです。これらは油で揚げない麺が特徴ですが、スープにも特徴がありました。粉末と液体を併用するような方法を採り、油揚げ麺の持つこってり感を補うというところでした。これは実際私の感想では補うというまでには至らなかった気がします。ただ、ノンフライ独特の生麺の持つ本格志向は達成できたんじゃないでしょうか。食べた感じも「中華そば」のイメージに即席麺がかなり近づいたという印象でした。

この40年代中盤でもう一つの画期的事件が起きました。日清の「カップヌードル」登場がそれです。
これは今でもほとんど当時のコンセプトを変えずに現在に引き継がれているというもので、その後出てくるカップ麺の礎になったような商品ですね。

袋麺もその後消費者の志向やその時代の流行などを上手く採り入れながら進化していきます。今の明星「中華三昧」のような本格高級志向や、レトロ感漂うマルちゃんの「昔ながらの」シリーズ、カプサイシンが流行ると、唐辛子の利いた商品など、その時々でめまぐるしく登場していきました。その反面で登場から40年以上も経過して即席麺の定番商品となっていく商品もあります。「変わらないおいしさ」ってやつですね。要するに飽きのこない商品のみがこの座に居続けることができるわけです。この裏には開発や販売に関わった多くの人たちの努力が詰まっています。いかにして美味い即席ラーメンを作るか、に。

たかがラーメンですが、されどラーメン。
そんなことを噛み締めながら味わってみるのもたまにはいいんじゃないでしょうか。

参考サイト:「即席麺家頁」
http://www.instantramen.or.jp/


【番外編】焼きそばのその後
「ホンコンやきそば」。ネットで販売していたのを確認したので、早速注文しました。
注文から数日で商品が届きました。到着した夜、夕飯は食べずに帰宅。早速試食を開始しました。
パッケージは相変わらず。作り方も昔ながら。試食すると、あ〜懐かしい!昔食べていたころの当時の記憶が蘇るという特典付きでした。人間の五感に訴えるものって、こんな効果があるんですよね。昔聴いてた曲を聴くとその当時の思い出が蘇るように。
当然ですが、昨今の即席焼きそばからするとやはりユニークな味です。
この週末懐かしいので昼食に女房と食べてみました。
関西出身の彼女はこの商品のことを知らなかったようです。ひょっとすると関西地区では販売していなかったのか?お好み焼きや焼きそばの味にはとびきりこだわりのある関西人にとって、この味はビミョーなようでした。私は懐かしい味に大感激だったんですが。トホホ。

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このホンコンやきそば、このブログを読んだ方に差し上げます「先着5名様まで・お一人様2個まで」。「ブログ読んだよ」といって私こじこじまでお知らせを。5名様になり次第打ち切りです。(申し訳ありません、社内限定です。)

コメント(3)

「カップヌードル」の爆発的ヒットは、「浅間山荘事件」で機動隊員が食べていたのがテレビでしきりに放送されたからだとか・・。
又聞きですが・・・・。

でも、これが無くても多分売れたと思いますよ。やっぱり、ノーマルがうまいですもん。
(シーフードもおいしいけど)
不動の「変らないおいしさ」ですね。

AKYさん、こんにちは。
「浅間山荘事件」、当時はテレビに釘付けでしたね。国民のほとんどがテレビの中継に見入っていました。「カップヌードル」もそんな中、ウラで機動隊のサポートをしていたんですよね。
当時爆発的に売れたのですが、もう一つの要因に、テレビのコマーシャルもあったような気がします。若者受けするような作りだったと記憶しています。外で食べるのがお洒落、という感じでした。プラのフォーク付も良かったのでしょうか。
「変わらないおいしさ」って素晴らしいことです。

パンチです。
ブログ読みました。
是非、食べてみたいです。
宜しくお願いします。

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このブログ記事について

このページは、cforceが2006年5月29日 09:00に書いたブログ記事です。

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