最近の音楽についての雑感

先日のこと
天気もいいので洗車でもと思って家の前でクルマを洗っていた。
近所の家の前で何人かの学生が楽器を持って現れた。
見ているとご近所さんの家の息子さんの友達らしい。
「へぇー、あの子たちバンドやってるのか?」なんて思ったが、すぐにその家に上がり込んだようだった。少ししてその家から音楽が聞こえてきたのだが、その曲がなんと私のような中年層が良く知る「ELP」の曲であったのだ。ELPとはエマーソン・レイク&パーマーのこと。かつてのプログレッシブ・ロックの代表的なバンドの一つである。おじさんは正直驚いた。なぜって、今時の若い、それもまだ高校に入るかどうかという世代の若者が、いわゆるロックの古典的なバンドの曲を聴いていることに少々違和感を覚えつつも、その良さを分かっている者もいるということに。ま、よく考えれば不思議なことではないのだけれど、やはり今のそんな若い世代がおじさんが若い頃興奮したような音楽に興味を持っているという事実は、正直うれしくもあった。
最近の音楽を耳にするたびに(←この表現もおじさん臭いか?)あまり音楽の世界は進展が少ないように感じられる。ほかのものが「十年一昔」のようにまったく変わっていくのに、音楽だけは全体を俯瞰してみると、意外にその速度は遅いのではないか。むしろ一進一退を繰り返しているように見える。新しいアーティストが出てきているし、新曲も出ているけれど、よくよく聴いてみると、どこかで昔のどこかの曲や歌に似ていたりするものである。
私も音楽に関しては90年代後半の頃からはあまり聴いていない。かつて聴いていたミュージシャンの新譜などをたまにネットで検索してみると確かにその間に何枚ものアルバムを出していたりしているが、試聴してみると大きくは変わっていないことに気付くのだ。時代が変わって新しい技術が導入されても、変わらないものは必ず存在するものだ。
因みに私は若い頃趣味でドラムをやっていたが、聴くのは大半はエレキピアノのフューチャーされたものが多い。とりわけフェンダー社のローズ・ピアノが今でも変わらず好きな楽器である。どことなく古くさい音色と言えなくもないが、古今を問わずこの音は今でも好きな音だ。
今はシンセサイザーと言えば複数の音を出すことは可能だが、昔の楽器で「ムーグ・シンセサイザー」というのがある。かつてYMOのステージで細野氏、高橋氏、坂本氏の後ろで大きなその存在感を誇示していたのを見た方もいるかも知れない。その楽器のコンパクト版がかつてあって、「ミニ・ムーグ」というシンセで、これは単音しかでないものだ。モノフォニック・シンセサイザーという種類のものである。これもまた好きな楽器の一つだが、この音にも熱烈なファンが今でもいるようだ。
最近はドラムに関して、メロディック・タムがリバイバルしないかと思っている。このメロディック・タムというのは、ドラムのボディをシェルといい、ドラムセットの上部に位置する太鼓をタムというのだが、そのシェルの直径が6・8・10・12インチと始まって16インチに至るまでの8音の音階を持たせたタムである。かつてカーペンターズの故カレン・カーペンターがステージで米国のラディック社のそれを使用していたので知っている方もいるかも知れない。ドラムのフィル・インといういわゆる「おかず」の部分で使用されることが多かった。音階が出るので、メロディックな「おかず」の表現が可能なタムだ。
音楽はきっとこれからもリバイバルを繰り返しながら新しいものが出てくるのだろう。
いいものは何年経っても変わらないということが実感できる瞬間でもある。

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このページは、cforceが2006年5月15日 08:50に書いたブログ記事です。

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