text by 赤様
お正月の風物詩、箱根駅伝。
今回100回目を迎えました。
優勝した青山学院は、
強くなったのがこの10年ほどのことで、
さらにその10年くらい前から、
プロ選手を何人も輩出している野球部の強化をやめ、
陸上部に強化の重点を置いたのだそうです。
僕が学生の頃は、
お正月のスポーツといえばラグビーで、
箱根駅伝はあまり大きな話題にはなりませんでした。
それが今では、
陸上に興味がない人でも注目するようになり、
この変化は陸上をやってきた人間にとっては
驚くばかりです。
その背景には、
番組制作者の意図があったのだそうです。
箱根駅伝はスポーツ中継ではなく、
エンターテイメントという観点で、
番組を作ってるのだと聞いたことがあります。
カメラのフレーミングを工夫したり、
スポーツ中継ではほぼ使わないクレーンを
使った映像を見せたり、
選手の家族や恩師を取材して秘話を紹介したり。
選手と、並走する車に乗る監督とのやりとりは、
他の駅伝では見られません。
この車は中継されて無い時代からありましたが、
テレビはその様子も素材として利用しました。
これができるのは、
選手1人がおよそ1時間走ることと、
参加校が約20チームと少ないので、
その時間が捻出できるのです。
各選手のエピソードやレース展開の模様、
これまでのドラマがこと細かに説明できることも、
箱根駅伝の魅力のひとつになっています。
また、
秋から様々なPRを段階的に行なったり、
機運を盛り上げる手法も素晴らしく、
深くハマればハマるほど、
その仕掛け作りの上手さが見えてきます。
さらに、
日本に住む外国人陸上記者も、
世界最大のロードレースイベントだと、
海外に向けて驚きを持って発信しています。
箱根駅伝好きのアイドルや有名人が
近年増えてきたのは、
そんな理由があるように思います。