学生時代、よくあんぱんを食べていました。
好きだったのはつぶあんとこしあんがハーフ&ハーフで入っている、
「みつ満のあんぱん」というパンです。
この「あんぱん」は本当に小さなパン屋で作られていて、
おじいちゃんとおばあちゃんの二人が一生懸命、丁寧に作っていたパンでした。
その、おじいちゃんとおばあちゃんの子供(養子)が僕の友達で、よく一緒に遊んでいました。
ソイツがもう手の付けられない不良で、タバコは吸うわバイクにも乗るわ、ロックンロールまで歌うわで、
家族はもちろん、学校の先生も手を焼いていました。
ただ、家の仕事(パン作り)だけは必ず手伝っていて、朝は4時起きだと言っていました。
夜はバイクにロックンロール、朝はかまどでパン。大変な二重生活です。
そんなある日、「今日のあんぱんはこれまでで一番よく焼けた」と言って、
僕に一つくれました。
それはそれは、あまくてふわふわで確かにおいしいあんぱんでした。
他の友達も「マジめーうー」と言っていたのをよく覚えています。
不良というレッテルを貼られながらも、パン作りには絶対に手を抜かない。
本当にすごいヤツでした。
今、生活の中でくじけそうになったときヤツのことを思い出してがんばっています。
そんなヤツ、いや、彼がついにこの夏、独立するそうです。
「うどん屋」で!(小麦粉つながり~!!!!)