text and photo by 赤様
「ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか」
という本がある。
ザックリ言うと、
ドイツは日本よりも労働時間が少ないのに、
日本より景気がいいのはどうしてなのか、
という内容。
ドイツの何もかもがいいわけではないけれど、
日本でのその改善は今ひとつ芳しくない。
企業や業界によってもまちまちで、
気にかけている多くの人がこの本を手に取っているらしい。
昨今、大手広告代理店の事件があったり、
国会でも労働時間に関する議論が行われるようになったり、
だんだんと社会の流れが
変わりつつある兆しなのだろう。
モノが売れなくなって久しいが、
経済が好転しないのは、
お金を使う時間がないというのも理由のひとつ。
ならばその時間を設けようということで、
「ミレニアムフライデー」なるものが
この2月から始まるのだそうだ。
毎月最終金曜に退勤時刻を15:00にする。
そうすることで、
買い物に行きやすくしたり、
そのまま週末を利用して旅行に行きやすくする。
そういうのが狙い。
労働時間の短縮と消費の拡大の両方を
解消したいという思惑だが、
はたして、どのくらい定着するだろうか。
その意図は、
多くのサラリーマンにとって歓迎だと思われるが、
これって、
将来的な不安の解消が見通せることを同時にやらないと、
浸透せずに終わってしまうような気もするのだが...。
今や、身内の介護が理由で、
会社を辞める人が年間9万人以上もいるという時代。
みんな一人ひとりが、
働き方を考える時期に来ているのだと思う。
時間やお金のことだけでなく、
介護や育児、福祉や社会保障も絡めて、
変えていくのが理想なのでは?
なんて思うのである。