去年
去年の今頃、私はまだシーフォースに入社する前でフラフラとしとったんですが。
あるとき、旧友のカメラマンから「撮影を手伝ってほしい」と声をかけられたんです。
日当3,000円という条件でハイエースの運転手をして、奥多摩まで走りました。
撮影はいわゆる"作品撮り"というものでして、旧友の作家進路を拡大するものでした。
私は表現者としてこれ以上彼に差を付けられたくなかったので、集中しようとするモデルに話しかけたり、いもしないのに「蜂が来た!」などと言って撮影をジャマしまくりました。そんなこんなで満足に撮影も進まず、あっというまに日が暮れてしまいました。
最近
最近、久しぶりに個人的な約束もない完全オフの日曜日がありました。
そんなとき、友人のカメラマンから「撮影を手伝ってほしい」と声をかけられました。
二つ返事で快くOK。与えられた役回りは機材車の運転手で、奥多摩まで走りました。
撮影はアーティストのいわゆる"ジャケ写"というもので、聞いたときは思わず友人を誇りに感じました。
私は彼とその作品に対して少しでも力になれたらと緊張しっぱなしのモデルと話しをしてプレッシャーをやわらげてあげたり、遠くから蜂が飛んでくれば「蜂です! 逃げてください!」と危険を知らせたりしました。そんなこんなで撮影はバッチリ! あっというまに日は暮れていきました。
二つの話は似ていますが、両方とも実話です。
登場する友達のカメラマンも同一人物です。