子供のころ、私の実家では猫を飼っていました。
名前はイヌ。
イヌはネコですがすごく気の利くヤツで、ネコですがイヌのように芸も覚えるし「イヌー!」と呼ぶとすぐに近寄って来ました。
イヌはネコの割りに器の大きい性格だったので、近所の野良ネコのボス役もやっていました。
しかし、イヌは本当の犬と相性が悪く、よく隣家の番犬と喧嘩をしていました。
私は「おいっイヌ! やめろ!」と怒るのですが、それを見ていた隣人は「ウチのイヌは悪くない、ソッチのネコが挑発してくるからだ!」と抗議。
なんだと、ウチのイヌはネコたちの親分だぞコノヤロー! と思い、
「ネコだけどネコじゃねー! (名前は)イヌだ!」
と、当たり前っぽいことを言い返してやりました。
すると隣人は、
「だからイヌじゃなくて、ネコ(イヌ)を叱れよ!」
と、当たり前のことを言ってきます。
やっかいな事態に気がついた私は、
とっちらかる前にイヌを抱えて逃げました。
その夜、母親が「昼間はウチの子供とイヌが失礼しました」と謝罪。
最近、実家に帰る機会があったのですが、今度は亀を飼い始めていました。
母親は「マンション」と呼んでいました。