text by 赤様
優れているのは、
人間の頭脳か、コンピューターか。
先日、人間とコンピューターが戦いました。
将棋の電王戦です。
予選を勝ち抜いた将棋ソフト5つと、
プロ棋士5人が1戦ずつ戦う団体戦です。
テレビでもCMが流され、
視聴者数は延べ213万人を超えたそうです。
人間とコンピューターとでは、どちらが賢いのか?
いままで将棋以外に、チェスや囲碁でも、
対決が行われてきましたが、
実力差はどんどんなくなってきています。
いや結果だけみれば、
チェスや将棋では、コンピューターの方が優勢になりつつあります。
(しかし囲碁では、まだまだのようですが・・・)
こう聞くと、
コンピューターよりも人間のほうが強くあってほしい、と思うのは、
僕だけではないでしょう。
なぜなら、人間には意地がありますし、
それに、自らの生活を便利にするために、
コンピューターを作ったのですから。
でも、
その進化の度合いを測るときになって、
「人間と勝負するときだけは、人間に花を持たせろ」
なんていうのは、少し身勝手な気もします。
コンピューターには、人間のできないことでも、
どんどんやってもらわなければなりません。
僕ら人類の発展は、
コンピューターの高度化とは、切っても切れないものになっているので、
将棋くらいで、ちっちゃいこと言うな、なんて思ったりもします。
コンピューターには(おそらく)無い、器量というものを見せましょうよ。
さて、横浜の桜木町に「ヘボ将棋センター」というのがあります。
将棋センターとは、
駅前の古いビルの2階とかによくある、
将棋好きなおじいちゃんがたくさん集まっているところです。
そんな名前に「ヘボ」なんてのを付けてしまうのが、
なんとも愛らしく、心憎い。
冒頭の電王戦は、人間の1勝4敗と残念な結果でした。
しかし人間社会では、将棋に限らず、
上手くても、下手でも、誰もが楽しめる文化があります。
上手いだけが能じゃない。
自らの楽しみ方を見出した者が一番の勝者だと、僕は思います。