選挙がおもしろくなってきた

text by 赤様

僕は都民ではないので、
都知事選の投票権は無いのだが、
ちょっと今回のは注目して見ている。

なかでも、
家入一真という若手候補がちょっとおもしろい。
この人は、
インターネットを利用した会社をいくつか起業したり、
恵まれない若者にシェアハウスを提供している35歳だ。

選挙と言えば、
真っ先に思いつくのが街頭演説。
でも、彼は今のところ、これをしていない。
基本的に騒音を出したくないのだそうだ。

では、どんな手を使うのか。
彼には、ツイッターに8万人以上のフォロワー(読者)がいるが、
そういったSNSを駆使して、都民の声を拾い上げている。
集まった声は、既に2万通(政策に関係ないものは除いて)にもなる。
これをネットで公開し、
それを精査して自身の政策方針としていくそうだ。

「誰もが参加できる政治」という未来像に、
これは他の誰よりも合致している。

集めるのは、政策だけではない。
選挙カーで声を上げるウグイス嬢は、選挙ではおなじみだが、
SNS上でつぶやいてもらうウグイス嬢も募り、
これで拡散効果を高めてもらう。

また、候補者ポスターを貼る掲示板は、
都内全部で14132箇所もあるらしく、
これを全て貼るのは、大きな後ろ盾がないと難しい量だが、
この作業員もSNSで募集した。
しかも貼ったらその画像をSNSに掲載するので、
そのムーブメントの盛り上がりがよくわかる。

うぐいす嬢もポスター貼りも、もちろんすべてボランティアだ。

しかし、他に費用がかかるものは、どうしてもある。
それはクラウドファンディングを利用した。
わずか2週間で500万円を集めた。
供託金(立候補するときに提出するお金)300万円のほか、
選挙カー代、ポスター代、事務所代などをこれで賄うらしい。
しかも、明細はネットで公開する予定だ。

選挙の細かいところまでが公表され、
可視化されて良いと評判だ。

先日は、細川護煕さんと居酒屋で対談した模様が、
動画サイトで配信され、すでに数万人が視聴した。

そんな新しい試みに、
いろいろな地域の地方議員から、
協力や交流の要望がツイッターでいくつも流される。

ライバル候補者陣営からも、
「若い世代の票をゴッソリと持っていかれるかもしれない」
と噂が出るほど。
20~30代の投票率が今まで以上に高くなったら、
これは彼の影響と言えるのでは?

どの選挙でも投票率の低さは慢性的な問題だ。
テレビで、ある大学の先生が、
「この国は経済的な豊かさが第一の価値で、
政治をスルーしても自分たちの生活が成り立ってしまう」
と政治に目が向かない理由を語っていたのが、ものすごく腑に落ちた。

でも、現状を知れば、
この国はこのままではいけないはず。

前回の参院選で、
選挙運動を街頭ライブで行った人がいたが、
選挙へのアプローチは、どんな方法があってもいいし、
いろんなやり方が出て活性化した方がいい。

今後、どう変わっていくのか、引き続き注目したい。

カテゴリ

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.14-ja
白黒写真カラー化サービス Coloriko - カラリコ -

このブログ記事について

このページは、cmemberが2014年1月31日 08:57に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「今年前半の目標?」です。

次のブログ記事は「」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。