text by 赤様
人口が少ない地方のある自治体で、
こんなことが決まったそうだ。
その地域に架かる橋のうち、
いくつかの古い橋は、修理をせず取り壊しをするのだと。
なぜ、そんなことになったのか。
私が毎日通る橋だから、この橋は壊さないでほしい。
これが利用者の純粋な声だ。
その人の身になれば、気持ちは十分に理解できる。
しかし、橋を維持するには金がかかる。
自治体の予算にも限りがある。
しかも、費用をかけなければならないのは、
橋のメンテナンスばかりではなく、
病院も整備しなければならない、
保育園や学校もつくらなくてはならない、
公民館も、上下水道も、商店街の整備も・・・、
やらねばならないことは山積みだ。
しかし、人口の都会への流出や工場の海外進出など、
税収は減っていく一方。
ならば、私のところの橋ではなく、
あちらの橋を壊せばいいじゃないか。
必ずそんな議論になるのだそうだ。
でも、どの橋を残すのかは、
その地域全体をみて考えていかなければならない。
なおかつ、予算の使い方は、
橋の以外のすべての公共事業を総合的に考えていかねばならない。
そんな問題が日本のあちこちで、
今後起こってくるだろうと言われているのだそうだ。
少し前に、
自治体が破綻するかもしれない、
というニュースが話題になった。
アベノミクスで経済は上向き傾向だとはいえ、
今後、都市部の自治体でもこれは起こり得ることなのだ。
現に、東京から電車で1時間もかからない街でも、
お店のシャッターが閉まったままの商店街が目につくようになってきたと、
とあるニュースで報じていた。
僕たちが生きるこれからの社会は、
あなたにとって、どうあってほしいのか。
どうやら、そういうことをマジメに考えないといけないところまで
きているように思う。
僕らの人生はこれからも続く。
ゆえに、住みやすい社会を望むのは、僕だけではないだろう。
このことに目を背けると、
心地よいと思えることが、どんどん少なくなっていくのではなだろうか。