電力について思うこと

text by 赤様

先の震災の影響で電力不足になった。
いつでも当たり前のように備わっていた電力だが、
決してそういうものではないことを、僕らは思い知らされた。

でも、
そもそも日本は電力消費が多すぎると、僕は思っている。
特に商業的なものにだ。

数年前バルセロナやベルリンに行ったが、
繁華街なのに街中は明るくなく、
電気を使った広告や看板のギラギラがホントに少なかった。

それは明るさが足りないというマイナスのものではない。
彼らはそのへんのバランス感覚が良いのだろうか。
秩序や節度が保たれているという良い印象だった。

お金をかけて、その効果が得られるのはわかるが、
だからと言って日本の繁華街のネオンはどうなのだろう。
その分だけ温室効果ガスは増えているのである。

それに関連して、
今回の原発の事故を機に、他の発電方法に変換すべきと
考えた方も多いだろう。
もし、日本の全ての住宅の屋根に太陽電池をつけると、
日本の総電力の20%を賄えると聞いたことがある。
ただ、1戸あたりの設置費用は200~300万円もかかってしまう。

日本は、太陽電池生産量の世界シェアは48%で世界一なのに、
設置量は環境先進国のドイツに大きく水をあけられている。

だが、中部電力が魅力的な発電所を建設している。
「メガソーラーたけとよ」と言う太陽電池だけの発電所だ。
愛知県の武豊にあるそれは、サッカーコート17面分もの広さがあるという。
今年から運用開始するそうなので、そんな発電所が増えてくれば、
原子力に頼る必要性も少なくなるのではないだろうか。

科学技術は、その進歩によって、
危険なものを安全に運用する術を人間は獲得してきた。
宇宙開発だって、高層建築だって、鉱山の採掘現場だって、
そうやって成し得てきたことだ。
原子力もそのうちのひとつだ。

だが、平穏無事に暮らしたいと思うのは、
僕らの節なる願いである。
これは傲慢で欲張りな欲求ではないと僕は思う。

これを機に、ビジョンに沿った技術革新の道を、
国が転換するかどうかはわからない。
でも、この震災が、でんこちゃんが毎日CMで訴えるよりも、
電気の使い方を改めて考え直すきっかけになっているのは、確かなことだ。

カテゴリ

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.14-ja
白黒写真カラー化サービス Coloriko - カラリコ -

このブログ記事について

このページは、cmemberが2011年4月 8日 08:23に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「燃やせ!」です。

次のブログ記事は「苺狩り」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。