昔鉄道マニアだった僕だが、土曜日に電車に乗ったところで
ふと思い出した。
子供の頃の話(もう40年くらいか?)。
昔の駅には、螺旋状のポールのようなものが立っていたのを思い出した。
確か「タブレット受け」という名前だったっけ?
別名「蚊取り線香」と呼ばれていたと思う。
列車の機関士が、走行する列車から駅のホームに立っているタブレット受けにめがけて、
タブレットを投げ入れてた。
それがくるくるっと回りながら、螺旋状の鉄棒を伝って中にはいるという仕掛けだった。
大体は駅の端の方に立っていた。
タブレットを使用する状況として、いくつかの理由があるようだけど、
一番の理由は列車の正面衝突や追突を防ぐ列車間の安全確保のうちの一つの方法だそうだ。
昔の駅には必ずあったな。
僕が通っていた小学校のすぐ横を通っていた東武鉄道の駅にもあったし、
そのタブレットを投げ入れる現場を目撃したこともあった。懐かしいね。
こんなような、いつの間にか消えていった鉄道設備って他にもあったことを思い出した。
最近見かけないもののもう一つは、「腕木式信号機」だ。
最初から赤と青のレンズを仕込んだ信号機で、腕木という名前のように、
「のようなカタチをした信号機だ。
その腕木と呼ばれる部分が上下することで、支点の反対にある
赤と青のレンズが切り替わるという仕掛けだった。
因みに腕木自体は白と黒の縞模様だった。いわゆる警戒色というやつだ。
改札もそうだ。昔の駅の改札は、僕のような地方に住んでいた者にとって、
電車の到着時間の間隔にある程度の時間の開きがあるところは、
大抵は時間が来るまで改札口に駅員さんが立っていなかった。
その手前の待合室で時間を潰していた。
今となってはのどかな風景だったな。
時代は変わって、最近の駅といえば、先に掲げた設備は完全になくなっている。
地方には一部残っているかも知れないが、首都圏の鉄道ではほとんど姿を消している。
改札は自動改札になって、信号も鉄道マニアでもないかぎり見ても良くわからないだろう。
列車の安全走行のため、ATC(自動列車制御装置:Automatic Train Control)が導入されていて、
人的なミスが起きてもある程度は機械がカバーしてくれるようになっている。
フェイルセーフ的な考え方だ。
もうこれらの設備・施設は、今ではノスタルジックを感じさせるような
あるいは演出するアイテムになってきている。
旧国鉄時代の列車や機関車なども一部でまだまだ現役で活躍しているようだが、
さすがに前線での活躍は少ないようだ。車輌の標準化も大きく進んでいるし。
とはいえ、昔取った杵柄。今でも通勤に使っているJRは、
見ていても楽しいものだ。これからもどんな風に鉄道が変わっていくのか
興味はつきないなぁ。